ページ

2012年10月26日金曜日

ここのところ必要があって殆ど毎月外国に出かけている。
そこで気になるのはトイレ事情だ。やはり日本人だから日本のトイレが世界で最高と
思っている。
今までで一番素朴だと思ったのはもちろん大平原で用をたすことだ。数十年前にモスクワ
近郊のヤ―スナヤ・ポリャーナにバス旅行した時はバスを止めていっせいに森の中に入り
用を足したことを思い出す。次の情景はモンゴルに行った時ゴビ砂漠の草原で用をたした。
次の思い出は中国のド田舎の寧夏というところで農家を訪問した時に小さな納屋のような
トイレを使用させてもらったことがある。小さいながらとても清潔に保っていて用をたすとそこ
に用意されている灰をシャベルでかけるのだ。素朴だけどとても感じのいいトイレだった。
同じ寧夏で毛沢東、マルクス、エンゲルスの画像が掲げられた党会議場のトイレは会議場
とは別棟にあり、粗末な板小屋に床は穴をくりぬいただけのトイレで全く不潔このうえない
ものであった。ある時地中海を旅していて、マルタ島に着き、そこのトイレを金を払って使用
したが、チリも埃も全く見られず、本当に清潔そのものの快適トイレであった。概してEU圏の
トイレはある一定の水準は保たれているようだ。
最近ウスリースクというところのある資産家の工場兼オフィスを視察させてもらったが、そこが
なんと今どき驚き、トイレの中に水の入ったバケツがありそのバケツに柄杓がはいっており、
用をたしたらその柄杓で水を汲み、流すという仕組みだ。
見た目には立派なオフィスであるが、肝心の下水処理がこのウスリースクでは不完全というこ
とが一目りょう然。この点は中国も同じ。見た目は異常なほどの大げさな威風堂々の建物でも
トイレは全く酷いものが多いのにはびっくり。
いかに日本のトイレが進化した優れものであるかが分かる。大体日本のウオシュレットを使うと
外国へ行くと尻が冷たくていつも困る。
注:ヤ―スナヤ・パリャーナにトルストイの土を盛っただけの墓があり、そこはトルスト

イ文学を愛好する人々の花が絶えたことがないことで有名なところ。トルストイ博物館
を併設。(トウ―ラの近郊の森の中にある。)

さて各国様々なトイレ事情を述べたが、たかがトイレ、されどトイレなのである。トイレはその国
のすべてを語ると言ったらいささか大袈裟か。トイレは一国の文化度を推し量るバロメータにな
ると言っても過言ではない。


0 件のコメント:

コメントを投稿